2018年1月16日

日本におけるアニメ視聴の概況
「アニメマーケティング白書 2018」連動企画版

※ このレポートは「アニメマーケティング白書2018 消費ポテンシャルとペルソナから測るIP分析」のウエブ連動企画として当白書をサマリーしたものです。当白書の「Ⅲ. 日本におけるアニメ視聴の概況」とかぶる内容もありますが、連動企画独自の内容となっています。 調査仕様や集計の前提条件は当白書案内ページのダイジェスト版をご参照ください。

アニメ視聴者の年齢構成

アニメ視聴人口 一番多いのは40代

 週に1本以上アニメを見たと回答したアニメ視聴者数は40代が10代とほぼ同じ600万人で、一番多い(図表1)。日本の人口は5歳~69歳までだと、40代が一番人口の多い年齢帯だ(図表2)。年齢帯内のアニメ視聴者比率は30%ではあるものの(図表3)、そもそもの人口が多いこともあって40代がアニメ視聴者数の最も多い年齢帯となっている。
 ただ、サザエさんやちびまる子ちゃんといったタイトルをみると、5歳~19歳とともに30代~40代のアニメ視聴者も多くなっており、この年代の子供を持つ親がこれら子供向けアニメタイトルを一緒に見ていることも考えられる。
■ 年齢帯別 アニメ視聴者数(推定値)(図表1)
年齢帯別 アニメ視聴者数(推定値)
単位:千人     

■ 年齢帯別 日本の人口(統計局)(図表2)
年齢帯別 日本の人口(統計局)
単位:千人     

■ 年齢帯別 アニメ視聴者比率(図表3)
年齢帯別 アニメ視聴者比率



コア層では20代のアニメ視聴者が一番多い

 一方、コアなアニメファンと推察される週に6本以上アニメを見たと回答したアニメ視聴本数コアクラスにフォーカスすると状況は異なり、20代がアニメ視聴者の一番多い年代となる。
 それでも、30代・40代のコア層アニメ視聴者数が20代と比べて大幅に少ないということにはならず、30代・40代にもコアなアニメファンがそれなりに存在する。
■ コア層の 年齢帯別 アニメ視聴者数
コア層の 年齢帯別 アニメ視聴者数
単位:千人     

■ ライト層の 年齢帯別 アニメ視聴者数
ライト層の 年齢帯別 アニメ視聴者数
単位:千人     

※ コア層とは週当たり6本以上アニメを視聴するeb-i独自のクラス。
※ ライト層とは週当たり1-2本アニメを視聴するeb-i独自のクラス。


消費ポテンシャルクラス(※)の概要

エンタメ関連消費の人口比率は、アニメ視聴者では70.6%

 アニメ視聴者では消費ポテンシャルクラスのライト・ミドル・ヘビークラス(※)すべてで、アニメ非視聴者の比率を上回り、あわせて70.6%となっている(図表1)。 アニメ非視聴者ではライト・ミドル・ヘビークラスの合計は50%を下回る。アニメ視聴者は、関連商品消費を行う傾向が高い。
■ 消費ポテンシャルクラス分布の違い (図表1)
消費ポテンシャルクラス分布の違い (図1)


ヘビークラス(※)においても20代~40代の比率が高い

 消費ポテンシャルにおけるヘビークラス内の年齢帯分布では20代・30代で52.3%、アニメ視聴クラスでも注目すべきと言及した40代まで含めると、3世代で73.8%と7割を超える(図表2)。アニメ視聴本数クラス同様、40代を含む20代~40代がアニメ関連消費においてもターゲット層といえる。
■ アニメ視聴者の ヘビークラス 年齢帯分布 (図表2)
アニメ視聴者におけるヘビークラスの年齢帯分布 (図2)


※ 消費ポテンシャルクラスは、2016年1年間でアニメ・マンガ・映画・小説などに関連して消費した金額によって以下のようにクラス定義しています
非消費:関連消費を行わなかった人
ライト: 1円~1万円を消費した人
ミドル: 1万1円~5万円を消費した人
ヘビー: 5万1円以上を消費した人


比率で見るヘビークラス上位タイトル

 (これら、消費ポテンシャルクラスの各クラスにおけるタイトルランキングは「アニメマーケティング白書 2018」内で、参照することができます。)




消費ポテンシャルクラスと、アニメ視聴本数クラスの関係

アニメを多く見る視聴者ほど関連消費金額は多い

 週にアニメを多く視聴する視聴者ほど、関連消費金額の高いミドル・ヘビークラスの比率が上がる。
 1週あたりに視聴するアニメの本数でクラス分けした「アニメ視聴本数クラス」と消費金額によってクラス分けした「消費ポテンシャルクラス」には、定量的に強い関係のあることが示されている。
■ アニメ視聴クラスごとの、消費ポテンシャルクラス分布
アニメ視聴クラスごとの、消費ポテンシャルクラス分布


アニメ視聴本数「コア」クラスでは関連消費を行う視聴者の比率が80%を超える

 週に6本以上のアニメを視聴するコアクラスでは、関連消費の比率は81.1%と8割を超える。
 消費ポテンシャルのヘビークラスに注目すると、日本全体では6%、アニメ視聴者では9%であった比率が、週に6本以上アニメを視聴するコアクラスでは15%を超える。
 これらのアニメ視聴コアクラスは、関連商品消費の習慣があるだけではなく、高額な消費にも抵抗がないようだ。
■ アニメ視聴コアクラスの消費ポテンシャルクラス分布
アニメ視聴コアクラスの消費ポテンシャルクラス分布


「アニメ視聴コアクラス」かつ「消費ポテンシャルヘビークラス」では20~40代が9割を占める

 アニメ視聴本数クラスのコア層で、かつ、消費ポテンシャルクラスのヘビー層は、コアなアニメファンでかつ2016年に5万円を超える関連消費を行った視聴者だ。これらの視聴者の年齢帯分布をみてみると、
> 20代:32.7%
> 30代:36.2%
> 40代:22.0%
となっており、この3世代で90.9%を占めている。
■ アニメ視聴本数コアクラスにおける 年齢分布
アニメ視聴本数クラスコアにおける 年齢分布


視聴者数では測れない、アニメ作品へのコミットメント

 eb-iでは、2016年秋クールから2017年夏クールまでの4クールの各クールにおいて、満足度・ファン度の聴取を行っており、「アニメマーケティング白書 2018」でその結果を報告している。これらのクールから2016年秋クールの結果をサマリーする。
(2017年冬クール以降の結果は当白書内で参照できる。)


2016年10月-12月クール、満足度比率ナンバー1は「ハイキュー!!」

 2016年10月-12月クールにおける満足度比率ランキングは、1位が「ハイキュー!!烏野高校VS白鳥沢学園高校」、2位が「夏目友人帳 伍」となっており、原作が存在し、かつシリーズを重ねている作品となった。
 圧倒的な視聴者数である「サザエさん」は、満足度比率では16%と35タイトル中26位となっており、アニメ作品へのコミットメントを測るには満足度といった指標も必要だ。
■ 満足度比率 ランキング
満足度比率 ランキング
単位:人     
「満足度数」とは各アニメタイトルの視聴者のうち「非常に満足した」と回答した人数


ファン比率ナンバー1は「夏目友人帳」

 ファン比率においてランキングを見ると、ドラえもんやクレヨンしんちゃんといったロングランのアニメのファン比率が高い。その中で「夏目友人帳 伍」は76.3%とそれらをしのぐ比率となっており、確実にファンを獲得している。満足度比率1位の「ハイキュー!!烏野高校VS白鳥沢学園高校」はファン比率は2位と、こちらも多くのファンがついている。
 満足度比率3位であった「ユーリ!!! on ICE」は、アニメオリジナルで初見より日が浅いにも関わらず、ファン比率9位とファンの獲得でも健闘しているといえよう。
■ ファン比率 ランキング
ファン比率 ランキング
単位:人     
「ファン数」とは各アニメタイトルの視聴者のうち「この作品のファンである」と回答した人数


女性から支持されたアニメは「刀剣乱舞」(2016年10月-12月クール)

「刀剣乱舞-花丸-」、満足度内の女性比率が80%を上回る

 最近のアニメの傾向として、好きなアニメの関連商品の消費を行いやすい20代~30代の女性をターゲットとする作品が増えている。満足度から女性に刺さっている作品を見てみよう。
 このクール、「非常に満足した」と回答した視聴者のうち82%という、女性から圧倒的な支持をあつめたのが「刀剣乱舞-花丸-」。ゲームでも女性に人気があった作品だ。
 満足度比率で3位の「ユーリ!!! on ICE」は、「非常に満足した」と回答したうちの78%が女性となっている。
■ 満足度内の女性比率
満足度内の女性比率
上記「男性比率」「女性比率」は「満足度数」内の男女の割合を示す

支持されている年齢帯は異なる

 「非常に満足している」と回答した視聴者の中で女性の比率が高かった、「刀剣乱舞-花丸-」・「ユーリ!!! on ICE」・「文豪ストレイドッグス」だが、支持されている年齢帯は異なるようだ。
 「刀剣乱舞-花丸-」と「文豪ストレイドッグス」は10代~20代が支持層となっているが、「ユーリ!!! on ICE」は20代~30代と前者2タイトルよりはやや上の年齢帯からの支持となっている。
 女性からの支持が高いアニメ作品であっても、IPとして利用する場合には、年齢帯の違いにも注意を払うべきであろう。
■ 「非常に満足した」と回答した視聴者の年齢帯分布
「非常に満足した」と回答した視聴者の年齢帯分布
上記年齢帯の比率は「満足度数」内の年齢帯の割合を示す。
ただしここでは50歳以上は記載していない。